おかわりテクニックrefill technique

行為者|ぬかスタッフActor|nuca staff

発見者|ジョーFinder|Joe

その日の午前中。頭を悩ませていた。
今日のランチはパスタとのこと。それだけでもぬか全体が浮き足立ち、そわそわしているのに。いや、飛行石を備えたラピュタの如く天空への道筋を一本のパスタが指し示してるような具合だったのに。こともあろうに、2種類のパスタから好みのものを選べるというのだ。
ぬかのランチを監修・制作してくれているのは、地域の名店「イタリア料理ラルゴ」。その店の2人のシェフ(ご夫婦)が腕を振るってくれている。イタリアンだけでなく和食・アジアン・中華まで、日替わりのメニューはどれも手を抜くことなく調理され愛情たっぷりの美味しいランチをいただくことができる。中でも本領を発揮するのはやはり「イタリアン」だ。そして、その中でもパスタは茹で時間などを考慮して、それぞれのぬかびとさんやスタッフにここぞというタイミングで提供される花形料理。そんな手間のかかるパスタを選べるなんて…。
 
この日のパスタは
「地鶏とコーンのクリームソーススパゲティ」
「ツナとキノコのトマトソーススパゲティ」
クリームかトマトか…
揺れ動く気持ちを、周囲の人と話し合い、あーでもないこーでもないと言いながら、
「パスタのメニュー」を決めるという午前の活動が終了した(笑)
(もちろん他の活動をしている方もいる)
 
まず初めに食べ始めたのは、昼食時間中にぬかびとさんの下膳や服薬、歯磨きをするための支援スタッフ。
「おいしい!」という歓声がこだまする。
みんな「どっちを食べたの?」と気になりながら、グルメレポートに聞き耳をたてているが、言うまでもなく、どちらも美味しいのだ。皆、自分が選んだパスタを美味しく食べ、幸せな時間はあっという間に終わってしまった。
そうした頃、キッチンからある提案が発表される。
「もう一種類のパスタも食べれますよー」と。
「なんだって!?」
パスタを選ぶために四苦八苦したあの時間はなんだったのか!?笑
と思いながらも、普段小食のスタッフやぬかびとさんもパスタのおかわりをしていく、まさにパスタ祭り。
もちろんぬかびとさん優先で食事提供されるので、介助するスタッフはあとで食べる。
そうこうしているとあっという間に食事時間が延長して午後2時まで食べているスタッフがいる始末…。
 
楽しいパスタ祭りを振り返り、こんなことでいいのか…と自省を込めた反省会。
中でもぬかびとさんだけでなく、スタッフも食への情熱を傾けるあまり、午後の活動にまで影響がでてしまったこと。どうしたらよかっただろうと議論を重ねる中で生まれた意見にこんなものがあった。
「おかわりをする技術がスタッフに欠けていたのではないか」
「おかわり上手なスタッフを見習おう」
というものだ。
 
ぬかびとさん、スタッフ共に満足のいく昼食時間を過ごすために、
スタッフによるおかわりの技術的なアプローチを見直そうというもの…。
そういうことなのか?
と疑問に思いつつも、一同その意見に同意して次回のパスタに備えることになる。
 
この数ヶ月後に
「ツナとキノコのペペロンチーノ」と「魚介と白菜のクリームパスタ」
で頭を悩ますことになるが、
「おかわりの技術向上による課題解決はなされたのであろうか?」
まだそのリサーチは終わっていない。