遥か過去の大学時代、学生ばかりですき焼きをした時です。具にはお決まりのネギや白菜、白菜などの他に、ナス、トマト、大根、ピーマンなどが入り・・・もう闇鍋状態。しかし、お恥ずかしい話ですが、入れるものばかりに気を取られ、全員が砂糖を忘れていました。そこで一人が「これ、入れようや」と出したのが、「豆大福4個入り」あんこって砂糖使うし、かなり甘いし、元は豆だし、いけんじゃね?
というその学生の主張に逆らう暇もなく、パックの豆大福は一瞬で鍋の中へ。その上から醤油が入り、具材が入り(関西風なので割下はありません)、ぐつぐつと煮込まれて・・・できあがったすき焼きは色んなところに小豆がべっとり。
仕方なく全員が箸を伸ばすと、肉にも野菜にもあんこと餅がまとわりついて振り払えない生卵につけて、ええいままよ!と口の中に放り込んだところ。
「・・・うまい」
そうなんです。美味しかったんです。砂糖より甘すぎない素材を殺さない味、豆は肉のあぶらに合うし、からまる餅はボリュームアップにちょうどいい。あっという間に鍋は空になりました。あれから何十年も経って、大福入りのすき焼きをたまに食べたくなりますが家族に泣いて嫌がられるので一度も食べることができません。
「なんでそんなもんを」と主人に言われますが、死ぬまでに食べたいもののひとつです。
