エアコンと室外機を愛するイキノベ君は、エアコンと室外機を設置するためだけに家を作っている。今日は一世一大の大仕事である室外機取り付け工事の日。この仕事の醍醐味は、なんといっても家の壁に穴をあけること。室内のエアコンやリモコンの位置から緻密に計算した場所にカッターを入れ、内と外をつなげた彼は大興奮!ことばの教室国の備品もなんのその。イキノベ君の衝動を止めることはできない。ついに完成したイキノベハウス。エアコンと室外機は管でつながれ、壁にあけた穴もきちんとふさがっていた。「ピー!ピー!!ピー!!!」歓喜の蛇笛で彼は喜びを大爆発させた。
先日は愛する室外機のメンテナンス中、1台から異音が発声した。しかも、そのまま放置しておくと近所迷惑になりかねないほどの爆音だ。しかし、愛する室外機が発する異音さえもマイナスイオンに変えるイキノベ君は、音に合わせて踊り出した。世界は広いと言えども、室外機の異音で踊れるのは、彼くらいだろう。異音を放つ室外機と一緒にダンスをして、楽しいひとときを過ごしたイキノベ君。本日の通級は、異音を放ち続ける室外機をいよいよ修理しようと、直接電話でダイキン屋さんと交渉することになった。「え~っとですね~、室外機がですね~、ガタンガタンと言ってですね~」
そこには、日頃のことばの様子からは想像できないくらい、オペレーターと流暢に話す姿があり、ことばの教員もビックリ。その後、修理依頼書と向き合い、自分の思いの丈をありのままのことばで記入。FAXで送信すると、担当者からも誠実な受付報告書が返送されてきた。
ニューウィンドォを吹かせたイキノベ君に、ことばの教員は大満足の60分だったものの、室外機を修理することが目的のイキノベ君は、電話交渉したことを屁とも思っていない様子。彼の目はすでに、ダイキン屋さんがことばの教室国にやってくる近い将来を見ていた。