父親であるクロンはトイレに閉じこもる。
それは朝のトイレラッシュ時にトイレの扉で子どもが足踏みをして待っていようが容赦しない。
それは急いでいる時も、雨の日も風の日も毎日起こる。
ある日の平日の朝15分36秒
ある日の休日25分クラスが複数回
家族にとってはテロ同然である。
いつの日からか、こどもたちに「パパは?」と訊ねると「トイレ」と答えるようになっている。
気がつけばトイレに「パパの部屋」という表札までこどもたちにつくられる。
我が家では
クロン=トイレ
という構図ができてしまっている。
一体、トイレで何をしているのか?
重要な証拠のひとつはトイレットペーパーが軽く半ロールは減っている。
謎だ。
ある日こどもたちと、推測をたててみることにした。
推測①うまくふけない
推測②寝ている
推測③もう一人のクロンに変身している
推測④仕事をしている
推測⑤別の世界への入口があり、そっちに行っている
有力な推測として⑤番だろうということになった。
しかし、未だにだれも、本当のことはわからない。
謎である。
今日もクロンは閉じこもる。