私は公立小学校で中学年を担任している。
 
ある朝、一人の女の子A子ちゃんが泣きながら登校してきた。
涙の訳を聞いてみると、
「遅刻して、、、先生に怒られると思って、、、」
そんなんあるかいな！
遅刻で怒ったことなど一度もない。
恐らく真面目なA子ちゃんは、初めての遅刻でどきどきしてしまったのだろうと推察された。
「明日も遅刻しよう！」
私は明るく提案した。
耐性がつけばドキドキしなくなるのでは？と考えたからだ。
A子ちゃんも私の意外な反応にびっくりし、笑った。
冗談だと思っているようだったので、
「本当に遅刻してね」念押しした。
子どもたちも大笑い。
「先生も遅刻しようかなぁ」とつぶやくと、
「いいよ！10時頃来てね」と大喜び。
 
さて、次の日の朝、私が教室にいくと
「あれ？遅刻してない！」と子どもたちは笑った。
A子ちゃんも来ていた。遅刻できなかった真面目な私とA子ちゃんは、
「遅刻できなかったね」と二人で笑った。
しばらくし、３人の男の子がまだ登校していない。
みんなで心配していると、
「ジャーン！！！」と元気よく３人が登場。
３人は、A子ちゃんが遅刻しやすくなるように
わざと道草をとって、遅刻をしたとのこと。
 
なんと！！
拍手喝采！！
最高のツッコミ！！
 
A子ちゃんもにっこり。
たかが遅刻、されど遅刻。
遅刻した３人はクラスの英雄となった！
 
その後、A子ちゃんが遅刻することがないという、、、
しかし、
どの子も遅刻しても元気に入ってくるようになった！