私を見つけたりゅうちゃんの熱いまなざし
二人のお決まりのムーブが始まる
タックルするがごとくなんの断りも恥ずかしみもなく笑顔で頭を股間にもぐり込ませるりゅうちゃん
それを何事もなく受け入れパワーボムを決めるがごとく持ち上げる私
桜庭をグラウンドに誘い込むホイス・グレーシーのごとくオープンガードをとるりゅうちゃん
それをジャイアントスイングするがごとくむんずと足首を掴み吊り上げる私
ここからの二人の世界
それは箒とでも試合ができるレスラーのごとく
ルチャリブレのように奏でられる
明るく 激しく 新しく そして美しく 見ているものを凌駕するスターダムの世界
なんのこっちゃ
それを危険と感じず笑いながら更にけしかける大人たち
そこにあるのはただ何事にも動じない純粋無垢な天使のようなりゅうちゃんの笑顔
「ここからウラカンラナで固めてくれたら最高っ!」
「このタイミングで最高のコルバダ決めてくれ~っ!」などなど、
期待が膨らみすぎ苦悩する私の心 それは笑い声と共に増すばかり
私の心の声はりゅうちゃんに届くはずもない