今日も朝イチから通級し、学校への不平不満を淀みなく垂れ流すひれカツ姉ちゃん。その矛先は、やがて学校から配布された『相談窓口紹介カード』にも及んだ。
 
「コレっていっつも配られるけど、誰も利用しなくねぇ？」
 
このボヤキに対して、すかさずボクは「だったら一度電話をしてみようよ。」とツッコミを入れた。とはいえ、電話に不慣れなひれカツ姉ちゃん。おまけにカードに掲載されている電話番号は10も20もあり、自分の不平不満をどこにぶつけていいのか分からない。
 
しかし、今年のテーマは「ニューウィンドォ」。自分の中に新しい風を吹かせるべく、思い切って『子ども人権110番』に電話してみたものの、受話器越しの男性に言葉を失い、無言で切ってしまった。
 
一瞬、気まずい空気が流れたものの、すぐに気を取り直して『電話児童相談室』に電話。受話器越しの女性に一瞬話す気になるも、「やっぱりいいです…。」と、またまた切ってしまった。しかし、ひとことでも声を出せたことが呼び水となり、次こそはという思いで『人権・子どもホットライン』に電話。受話器越しに出てくれたのは、これまでと違って物腰のやわらかい女性。この女性の声質や穏やかな対応に安心感を得たひれカツ姉ちゃんは、
 
「大人に有休があるのに、なんで子どもには有休がないんですか？学校を休むとズル休みと言われるから、有給を使って堂々と休みたいんですけど…。」
 
と相談してみたところ、思いのほか話が弾み、結局10分以上の談笑。彼女は、笑顔で受話器を置いた。
 
「で、どんな話になったの？」
「24時間体制で営業している相談室の人も休みがないってよ（笑）」
 
想定外の返答にアイコ教諭とボクは大爆笑。ひれカツ姉ちゃんは「大人の不平不満を聞くことができて面白かったよ。」と、とても満足そうだった。
 
女性相談員の不平不満返しのおかげで、ひれかつ姉ちゃんの中に、また一つ「ニューウィンドォ」が吹いた。