便座はどこへWhere is the toilet seat

行為者|トイレActor|toilet

発見者|家族Finder|Family

ある日、母よりトイレが壊れた。床から水が染み出ている。 と。早速、知り合いにみてもらうと、これはトイレを変えた方がいいとの診断。その人の人脈のお陰で、メーカーではなく、問屋さんが来てくれることになり、少しでも安くすむのではないかと期待していた。そして、問屋さんが寸法を測るためうちに来た。スラッとした若者でイケメンだった。母も私もイケメンと談笑しながらトイレが決まり、注文もした。工事日も決定。一件落着と思っていた。それまでは…。
工事の日、私の仕事中に母より電話。トイレの部品を間違えたようで今日のことにはならないと。今日からどうしようかというものだった。どうしようもこうしようもないではないか、部品を間違えたのは問屋さんなんだから何か手だてを考えてくれと伝えて電話を切っていた。帰ったら、元の便座があると思い込んでいた…。新しい部品がくるまで今のトイレでいいではないかと思っていた。帰ってみると…。目が点である。便座がないのである…。今見えているのはなんなんだ。トイレのどこなんだと思ってしまった。あの電話の後、結局、知り合いと母とでホームセンターにポータブルトイレを買いにいっていた。なぜ、うちがポータブルトイレを用意しないといけないのか…。腹も立ったが、知り合いの顔を潰すなと母にも言われる始末…。涙が出そうである…。そして、新品のポータブルトイレ…。なんでそんなんである。翌朝、もよおしたものの新品のポータブルトイレに出るものも遠慮がちであった…。そして、3日後、事なきを得たのであるが、イケメンの営業マンと談笑していた自分をも情けなくなった。あの時、ちゃんと部品はあっているのかと強気であるべきだった。
この話には、続きがある、
それから、半年程たったある日、また母より、トイレから水が染み出ているとのこと。私の脳裏には、あのポータブルトイレが目に浮かんでいた。またあの辛い日々を送るはめになるのではないかと…。また、知り合いに頼み、今度は修理業者を呼んでくれた。また、ミスではないのか、設置がちゃんとできてないのではないかとも思っていた。その日は休みで私も家にいた。すると、業者さんによって原因が判明する。なんと、かなり小さい隙間から蟻が巣を作っており、スポンジ状に広がり、そこから水が染み出ているとのことだった。そのベテラン業者さんもこんなのは初めてだとビックリしていた。で、その蟻の巣を洗い流さなければならいが、母が綿棒を持ってきておもむろに私に洗えと差し出してきた…。いつも、嫌なことは私にさせる母…。なんでそんなん、パート2である。トイレさん、もうこりごりですよ。ちなみに、ポータブルトイレさんはいつでもスタンバってくれている。