とある日、集金の500円玉が欲しい母は、人に話しかける事が苦手な息子ハルエモンにお使いのミッションを課す。
「どう?焼き鳥食べたない?」
「食べたい!!!」
「ほな集金でお金500円に崩したいから、焼き鳥買って崩してきて。」
自分1人で買いにいくのか…と悩む息子…考え渋った末、なんとか行く事を決意した。
母は、晩御飯はほぼ揃っている。家族5人なので、焼き鳥5本を購入し、財布に入れた1000円札で支払えば、お釣りが500円玉として、返ってくる事を何度も説明。
好きな焼き鳥5本選んでくる事を伝える。
「わかった!」緊張しながらも、軽快に出て行く我が子。
15分後、和やかに戻ってきたハルエモン、両手には何故か大きなビニールの袋を持っている。
…焼き鳥だけにしてはデカすぎる…
「お帰り。このでかい袋、何?」
「無言…」笑←ハルエモン
「ん?!何買ってきたん?」
すぐさま財布の中を見ると…100円玉2枚だけ。
「…??800円使ったってこと?」それにしても、焼き鳥8本にはしては、大き過ぎる物体。
母はさらに気になり、その物体の入っている袋を開けてみた。
と、そこには鶏肉の塊、丸焼きが…
さらにコロッケ4個も。
「え?焼き鳥は?!焼き鳥買いに行ったんやよな?」←母
「…笑」←ハルエモン
「食べたかったん?」
「うん、美味しそうだった。」笑←ハルエモン
「値段みたか?」
「…わかんない。」←ハルエモン
「…苦笑。買い物するときは、値段みよな。」
すかさず、
「でも、コロッケは安かったんだよ~一個60円だった!」←ハルエモン
「そこは見てんのかー!笑
でもなんで4個なん?!あ!まさか肉を足して5の個数にしたんちゃうん?!!
「笑」←ハルエモン
謎が解けた!!
とはいうものの500円玉を作るため行かせたはずだか、500円玉は手に入らず…
家族分の5という個数だけ忠実に守り、買いに行ったはずの焼き鳥を避け自由に買ってきた我が子。
母は当初無駄にお金と時間を使った…
と落胆したのだが、
食卓に登る肉の姿に家族皆盛り上がり、笑いが生まれ、さらには肉を食すハルエモンの満足げな姿に、500円以上の価値が得られ、理解し難い我が子の買い物に微笑ましい夕食の姿が生まれたのだった。